大切なものに逢う日

曰く

葵(あふひ)の「ひ」とは神、太陽。大切なもの「ひ」に逢う「あふ」の意であり、フタバアオイは大切なものとの出逢いを象徴する山野草

だそうだ。

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路頭の儀(葵祭)のみならず、3日流鏑馬(やぶさめ)神事、12日御蔭祭(みかげまつり)で神をたたえる舞楽「東游(あずまあそび)」の舞人の頭かざりなど祭神事全体で多く葵葉が使われる。

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上賀茂神社(賀茂別雷神社:かもわけいかづちじんじゃ)の裏山になる神山(こうやま)は、古来フタバアオイで緑一面に広がっていたという。
近年、環境変化で激減し、葵祭に必要な1万数千本とも言われるアオイの確保が難しい状態となった。

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葉の採取はは神社境内のほか、青年会メンバーや一般の住民からの奉納などで賄われているが不足する。
そこでアオイの育成をサポーするNPO葵プロジェクトが立ち上がり、育成の指導普及にあたっている。
上賀茂神社から神山にかけて、かつてあった「古の森」(希少和花・日本古来の昆虫等の復活)再生を目指すべく、一般市民や学校に双葉葵を育成する協力を求め、現在上賀茂神社周辺の4つの小学校も参加した。
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静岡駿府城三つ葉葵

静岡市葵区も徳川家康公、葵の紋のつながりで、フタバアオイと縁深い。静岡県の小学校でも葵使により届けられたフタバアオイを育てている。
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葵使(あおいつかい)
上賀茂神社に貯蔵されていた古文書によると
1610年から大政奉還される1867年まで徳川家康公の命により毎年春になると、京都・上賀茂神社の境内に自生している「二葉葵」が静岡・駿府城へ献上されていた。その役目を持つ者のことを「葵使」という。

2008年には約140年ぶりに葵使が復活した。
今年第10回目が3月27日、上賀茂神社にて「葵使出発式」、4月2日駿府城にて「葵使到着式」が都葵の会、京都静岡県人会、上賀茂自治連合会、上賀茂おやじの会などの協力を得て、再現実施された。


 

福井県鯖江市「吉江あおい会」

朝日新聞2015-5-14
朝日新聞2015-5-14
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福井県鯖江市の有志「吉江(よしえ)あおい会」も葵プロジェクトのテレビ広報をみて数年前からフタバアオイの育成に協力している。
旧吉江藩主松平昌親公は家紋として三ツ葉葵を持つ徳川家康の曾孫、吉江神社の神紋は三つ葉葵などの縁を感じたそうだ。
昨年には5400本を奉納した。全国で育てた苗から葉を奉納してもらう取り組みも進んでいるようだ。

NPO法人葵プロジェクト
京都市北区上賀茂本山339
世界文化遺産 上賀茂神社 社務所内
公式ホームページ http://www.afuhi.jp/project/