賀茂祭 路頭の儀

日本最古のGolden Week、フィナーレへ

葵祭(賀茂祭) 路頭の儀

090512_DSC_0316路頭の儀の起源は、凶作の原因を封じ、民に安泰な暮らしをもたらした賀茂社の祭礼に、天皇の祝詞を読み上げお供えを届けるために、勅使が御所から賀茂社へ行列したものであるという。しかしながら、勇壮な前儀の神事や社頭の儀に祭の本質があることも忘れてはならない。
 

5月15日(金) 葵祭(賀茂祭)
午前10:00時 進発の儀(京都御所)
午前10:00時 路頭の儀 建礼門前出発(京都御所)
午前11:40時 行粧到着・社頭の儀
午後13時15分 走馬の儀・狂言奉納
午後15時30分頃 社頭の儀(上賀茂神社)


 
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交通規制の詳細、アクセスについては http://aoi.kyotocf.com/saiji/rotounogi/traffics/

 
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行列は、本列と斎王代列に大別され、本列は勅使代を中心にした列、斎王代列は女人列といわれ斎王代を中心にした列である。

行列名
本列 / 勅使列
役名 内容
写真は順不同
警護の列
乗尻(のりじり)
行列を先導する騎馬隊で、左右各3騎。上賀茂の競べ馬の騎手である。古くは六衛府の衛士(えじ)がこれに当たったという。
検非違使志(けびいしのさかん) 検非違使庁の役人で、警察司法の担当者。六位の武官。この日は舎人(とねり)の引く馬に騎乗し、看督長(かどのおさ)、火長(かちょう)、如木(にょぼく)、白丁(はくちょう)など下役を率いて行列の警備にあたる。
検非違使尉(けびいしのじょう) 検非違使庁の役人で、五位の判官。志の上役で行列の警備の最高責任者である。舎人の引く馬に乗る。また、志、尉ともそれぞれ調度掛(ちょうどがけ)に弓矢を持たせ、鉾持(ほこもち)に鉾を持たせて武装している。
山城使(やましろつかい) 山城介(やましろのすけ)で山城国司の次官、五位の文官である。賀茂の両社とも洛外になるので、山城の国司の管轄区域になるため警護の任につく。舎人が馬の口を取り、前後に馬副(うまぞい)がつく。あとに手振(てふり)、童(わらわ)、雑色(ぞうしき)、取物舎人(とりものとねり)、白丁など従者が山城使の所用品を携えてゆく。
天皇供え物の列
御幣櫃(ごへいびつ)
賀茂両社の神前に供える御幣物を納めた櫃で、下社二座、上社一座、合わせて三合の白木の唐櫃に注連縄をかけ、白丁にかつがれてゆく。衛士が先導している。
内蔵寮史生(くらりょうのししょう) 内蔵寮の七位の文官で、御幣物を管理している。騎乗し両社に各1名が参向する。所用品を携えた雑色、白丁を従える。
馬寮使(めりょうつかい) 走馬をつかさどる左馬允(さまのじょう)は、六位の武官で騎乗し、弓矢を調度掛に持たせる。
御馬(おうま) 走馬(そうめ)ともいわれ、下鴨・上賀茂両社の神前で走らせ、神々にご覧に入れる馬で、2頭の馬の頭と尾には葵、柱、紙垂れをつけている。1頭に4人の馬部(めぶ)がついて引いて行く。
牛車(ぎっしゃ) 俗に御所車といわれ、勅使の乗る車で、藤の花などを軒に飾り、牛に引かせる。現在、勅使が乗ることはなく、行列の装飾である。牛童(うしわらわ)、車方、大工職などの車役が、替え牛とともに従う。
勅使列
和琴(わごん)
御物の和琴で「河霧」の銘を持つ。神前の奏楽用として舞人の前、2人で運ばれる。
舞人(まいびど) 近衛府の五位の武官で、歌舞の堪能者がこの日の舞人を勤める。6人が騎乗でお供する。それぞれ雑色、舎人、白丁が従う。
勅使(ちょくし) 天皇の使いで、行列中の最高位者。四位近衛中将がこれを勤めるので、近衛使(このえづかい)とも言われる。現在、勅使は路頭の儀には加わらず、近衛使代が勤め、当時の様式どおり、飾太刀、騎乗する馬も美々しい飾馬で、朧(御馬役人・くとり)が口を取る。舎人、居飼(鞍覆持・いかい)、手振が従う。
風流傘(ふりゅうがさ) 大傘の上に牡丹や杜若など季節の花(造花)を飾り付けたもの。行列の装いとして取物舎人4人でかざしてゆく。
牽馬(ひきうま) 勅使の替え馬で、帰路に備える。舎人が牽く。
勅使供物の列
陪従(べいじゅう)
近衛府の五位の武官で、この日は賀茂両社の社頭で歌をうたい楽器を奏する役を勤める。7騎が各種楽器を携えてゆく。それぞれ雑色、舎人、白丁が従う。
内蔵使(くらづかい) 内蔵寮の次官で五位の文武兼官。職名は内蔵助。勅使が神前で奏上する御祭文を奉持している。騎乗し、馬副、白丁らが従う。
風流傘(ふりゅうがさ) 先の風流傘とは造花が少し異なる。本列の結びとなる。
行列名
斎王代列
役名 内容
命婦(みょうぶ) 女官の通称で、小桂(こうちき)を着用する高級女官。花傘をさしかける。
女嬬(にょじゅ) 食事をつかさどる女官
斎王代(さいおうだい) 斎王は、平安時代には内親王が選ばれて祭に奉仕したものであるが、現在は未婚の市民女性から選ばれるので、斎王代と称される。御禊(みそぎ)を済ませた斎王代は、五衣裳唐衣(いつつぎぬものからぎぬ)、俗に十二単(じゅうにひとえ)の大礼服装で、供奉者にかつがれた腰輿(およよ)という輿に乗って参向する。
駒女(むなのりおんな) 斎王付きの清浄な巫女(みかんこ)で、騎馬で参向するのでその名がある。6騎の女丈夫。
女別当(おんなべっとう) 斎宮寮・斎院司に仕える女官。
内侍(ないし) 後宮の役所である内侍司(ないしのつかさ)に勤めた女官
采女(うねめ) 斎院の神事を司る
童女(わらわめ)
蔵人所陪従(くろうどどころべいじゅう) 斎院の物品、会計をつかさどる蔵人所の、雅楽を演奏する文官で、それぞれ楽器を持っている。
牛車(ぎっしゃ) 斎王の牛車で俗に女房車。この牛車には、葵と桂のほか桜と橘の飾りがつく。

さらに詳しくはコラムがあります。
by 五所光一郎

「馬は房、平安人は冠。現代京都人のアイデンティティは」
葵祭 路頭の儀 本列とは
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「雲が愛宕さんへ参ると雨、お稲荷さんに参ると晴れ」
葵祭 斎王のお歯黒とふたば葵
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